|
巻頭コラム 延辺通信 2 特別寄稿詩 白頭よ、長白よ! 特別寄稿文 江沢民の朝鮮民主主義人民共和国 (以下北朝鮮)訪問と韓・朝関係 北朝鮮脱出者インタビュー** ある元教師の北朝鮮脱出手記(2) お知らせ/連絡先 |
| 巻頭コラム 半世紀も耐えてきたのに |
ひどい残暑が猛威を振るっている。地球温暖化現象のせいだと
いうけれど、季節の変わり目の落ち着きなさのためか、心穏やか
ではない。いつまでも夏であるかのように振舞っているかんかん
照りもそうだけれど、天気を相手に愚痴をこぼす人を見ても
いらだたしくなるのは同様である。
私たちは待つことにそれほど慣れてはいない。それどころか、
レストランで催促するのが自分のなすべき仕事だと考えているのが
わたしたちである。ぐずぐずしている夏も嫌いで、早めに
やってくる秋にもいらいらするという私たち。季節こそ時がくれば
自からきちんと正確に変わればいいものを、どうしてそうならないのかと
いう私たちは、もっぱら性急な性格そのままに、たえず
不満のみを口にする。
南北問題においても例外ではない。事実、今、南北間には
いらいらする「待ちの時」が続いている。3月(2001年)に
開かれることになっていた南北大臣級会談が急に無期延期
され6ヶ月ぶりにやっと再開されるという、そんな仕方もする。
あれほど感動的であった2000年6月の南北頂上会談の
熱気は何処へ消えてしまったのか、南北問題に対する
期待感は大きく萎縮している。もったいない話だ。
最近中央日報が調査したところによれば、南北問題に
対する国民の見方が1年前に比べて大きく保守化
している。例えば'統一しなければならない'とする
主張に、昨年は80.6%が賛成したが、今年は71.8%に
減った。'統一時の税負担'問題に対しても'負担したく
ない人'が昨年の40.2%から45%に増えた。特に、
現政府の太陽論に対する共感度は昨年の73.5%から
48.4%へと激減した。ひいては、金正日国防委員長の
ソウル答礼訪問に、1年まえは91.4%であった賛成が
今年は75.4%に減少した。
勿論、今でも統一を当然とする論が多数(71.8%)をしめ、
南北経済協力が相互利益をもたらすだろうという意見が
過半数(52.5%)を占めているなど、南北関係に対する
期待値は非常に高い。それ故、最近南北問題から
醸し出されている不満は昨年の3月以来小康状態に
陥っている南北対話、国内政治の不安定、経済沈滞の
長期化兆候など、多様な不安定要因によって醸し
出された一時的側面が強い。
事実我々にとって南北問題はいまやっと数歩を歩み
だしたに過ぎない。南北のトップが1度会ったからと
いって、過去50年の南北間の桎梏と対立から
生じた全ての問題が一時に解決されるだろうと
考えるならば、それは見込み違いである。
依然として我々には超えなければならない山が
超えてきた山より多いい。 政治的にこそあの
頂上会談は民族史に一区切りをつけたけれども、
細部の論議においてはむしろ以前よりも多くの
もつれを生じさせる可能性もある。以前の敵対関係に
おいては論議さえできなかった部分について
対話を始めるのであるから、それはある意味で
当然のことといえる。
けれども、これまで半世紀も耐えてきたのに、
南北頂上会談後やっと1年余りが過ぎた時点で南北会談に
対して悲観論が噴出すれば、一体どうなるというのか。
分断という暗黒の中で、それでも、我々は統一の種を
育ててきたのに。いまこそ、うんざりしながらも希望を
すてなかったあの時をよみがえらせ、関心を寄せ、
余裕ある「待ちの姿勢」で南北問題を見守らなければ
ならない時である。厳しい残暑が猛威を振るっていても、
実は、秋はもうすぐ側まできているではないか。
ヨベルの年
|
| 延辺通信 2 北朝鮮脱出者の一般的状況 |
(‘ヨンビョン通信’はヨンビョンから直接送ってきた 北朝鮮脱出者についての現状記録で、今後この 消息誌に毎回掲載するものである。保安関係上 筆者は勿論正確な地名、人名、日時等を明らかに しないことを原則とした。以下の文中[]表示は ‘ヨベルの年連帯’が付記したものである。編集者注) 17歳の脱北少年の手記である。特定地名と日時は 明らかにしないことを原則とした。以下【 】表示は ‘ヨベルの年連帯’が付けたものである。編集者注) |
| 特別寄稿詩 白頭よ、長白よ! |
白頭よ 長頭よ! わが祖国(北韓)で白頭としてよく知られた 人民の心の中に 想像の伝説として 夢の名山として どれほど登りたかったか 韓民族の魂がこもった歴史の山であったか わが祖国にそそり立つ お前の名 お前の気立て 遮られて久しい 独裁者の偶像崇拝が氾濫する所で お前は ただ一人の人間の象徴へと堕落し 一人の人間の名誉のために 美しさまで失ってしまったのか 白頭が本来の気性を失って 独裁の代名詞にまで堕落した 我らの誇りではなくなり 独裁の道具へと転落してしまった それでもお前を恋い慕うわが民族 お前に会うために 数千里をめぐりめぐって来 いまさらながら 悲しみの中でお前の名を呼ぶ 真っ先に 祖国の痛みが思い浮かぶ 韓半島の北部に 高く高く聳え立ち 韓民族の痛みを黙々と積もる怒りの中で そのように沈黙しなければならなかったのか お前、長白よ、白頭よ、 恋しい白頭よ! お前の頭の白い霜は苦痛からきたもの 20世紀の長い長い歳月 お前の体は外国の勢力に踏みにじられ、腰から二つに裂かれた 今は独裁の抑圧の下で 苦痛に耐え 何も言わずに流す涙 鴨緑江に 豆満江に流れるのか 分断の歴史 終わりの日その日は遠くないと言う 白頭の約束か長白の意志か 祖国の最高峰に登って 優しくささやくお前の声 長白の願い白頭の誓いを今聞く いまや分断の歴史も 民族の葛藤も21世紀には 誇らしく美しい長白、白頭の名によって 終わるであろう 厳かなお前の宣言 大滝のように波打って流れる 力強く流れる 世界に見せてやりたい 世界に知らせてやりたい 厳かで強靭な韓半島の気性 韓半島の名山の中の名山として ますます誇らしい 白頭よ! 長白よ! ヨベルの年 脱北女性キムハンナ(仮名32歳)が始めて白頭山 登った後、統一を願う心から書いた詩です。 題目は'ヨベルの連帯'がつけました。 * "長白"は"白頭"と同じく"白頭山"をさす。(訳者注) |
|
|
| 特別寄稿文 江沢民の朝鮮民主主義人民共和国(以下北朝鮮)訪問と韓・朝関係 |
| キムクワンヨン (ハニャン大教授、アジア太平洋地域研究センター北朝鮮室長) |
最近北朝鮮の動向の中で最も際立った部分は外交活動の 積極的な展開だろう。昨年から始められた攻勢的な北朝鮮の 全方位外交政策は、たった1年余で、EU国家の大部分 (フランスとアイルランドとは未修好)と外交関係を樹立し、 アジア地域安保ホーラム(ARF)に23番目の正式会員国として 加入するなど、目に見える成果を出している。特に、昨年平壌で 開かれた南北頂上会談を始めとして、金正日国防委員長は 華やかに国際舞台に登場したのについで、中国、ロシアを 続けさまに訪問し頂上会談を推進してきた。それまで内外の 事情によって国際社会から徹底して孤立、封鎖されていた 北朝鮮が一挙にこれを突破でもするかのように、多方面から 外交を推し進めているのである。 すぐる9月3日から5日間行われた江沢民中国国家主席兼党書記の 訪朝もこのような延長線上に置かれている。勿論、今回の訪朝は、 基本的には先に2回行われた金委員長の訪中に対する答礼形式を とったのであったけれども、北朝鮮に対して中国がはっきりした 支持表明を出すという具体的な成果があったことに注目する必要が ある。とりわけ、今回の訪朝が11年目に行なわれた点、韓中修好以後 最初の中国最高指導者の訪朝という点,朝中間に外形的には 親善関係が維持されてきたという点などを考え合わせるならば、 今回の会談の意味は決して小さくない。のみならず、急変しつつある 東北アジアの力学関係に及ぼす影響を勘案するならば、注意深く 見つめるべき面は多い。 しかし、今回の会談は、9月11日米国国防省と世界貿易センターが 受けたテロにより、国際社会は勿論、国内でも注目されず色あせた 側面が少なくない。はなはだしくは今回の会談を単なる答礼次元へと 削り降ろす傾向さえ見られた。その根拠として、発表された合意文の 内容が貧弱であるという点(劉法才中国共産党対外連絡部副秘書長の 9月5日記者会見;"すぐる年5月と1月、また今回江主席の 訪朝など3回の出会いを通して、両国頂上が青少年交流など3項目に 合意した。")、朝ロ頂上会談とは違って共同声明がだされなかった点、 が提示された。 けれども、訪朝団が中国の党、政、軍および経済人など100余名の 大規模で構成されたという点、江沢民自らが今回の訪朝が"成功的で あったし、訪問結果に満足している。"と評価し、すぐる11年の間世の 中の総てが変わったが"すこしもかわらなかったのは朝中友好関係 だけだ。"と感激したという事実からもわかるように、表面的にのみ 見るべきではない。同時に、これまで行なわれた朝中両国頂上会談の 中では1970年4月周恩来総理の訪朝時に金日成主席との間で"反帝 共同闘争を確認する共同声明"が発表されただけで、その間の 朝中頂上会談では共同文採択がぜんぜん行なわれなかった事実からして、 共同声明発表の有無は、少なくとも朝中間では、それほど重要な要素 ではない。したがって、訪朝の意味をより正確に把握しようとすれば、今回の 江主席の訪朝の裏面と脈略を注意深く見なければならない。 今回の会談における最大の受恵者はやはり北朝鮮である。 一、北朝鮮は直ちに中国から20万トンの食糧と3万トンのヂイゼル油を 無償で受けた。今回受けた援助はほんの数百万ドルに過ぎないが、 今後も続けて食料、肥料、石油、生活必需品など数千万ドルに 達する無償支援と経済協力の約束を受けたことが判明した。 二、北朝鮮は中国との友好関係を再確認することによって少なくとも 国際舞台ではもはや孤立無縁な状態でないことを内外に誇示する 成果を納めた。勿論、かつての"唇歯"、"血盟"関係レベルへの 復元でないことは明らかであるが、今後両国関係が単なる親善国家関係 以上になるという点には疑問の余地がない。過去中国の改革解放に対する 修正主義批判、韓中修好に対する非難などによってもたらされた二国間の 葛藤の溝は最小限縫い合わされたわけだ。 三、北朝鮮は相次ぐ頂上会談を通じて米国のMDに対して反対する 中−ロ−北朝鮮合同戦線を構築することで今後展開される米国との会談での 交渉力を強める効果を獲得した。 四、ともかく金委員長が持続的に開放的な外交活動に力を注ぐ姿を見せることで 自身の対内外の立場を強める反面、過去の閉鎖的で否定的なイメージを かなり払拭させる事ができた。 五、北朝鮮はこの時期にミサイル発射の猶予を約束、三個代表論(全人民を 代表し文化ならびに経済に対しても中国共産党が責任を負わなければ ならないという江主席の主張)[訳者注:三個=先進的生産性、先進的文化、 人民の根本的利益]に対しての支持を通じて北朝鮮改革解放の暗示等の 間接的宣伝効果を得た。 中国もまた今回の北朝鮮訪問から少なくない成果を得た。 先ず指摘できることは北朝鮮に対しての影響力確認である。江沢民は 今回の北朝鮮訪問に"身内の面倒を見る"大きな お土産を準備することにより北朝鮮を実質的に支援する国家が 自分たちだけであることを明確に認識させた。同時に金委員長に ソウル訪問を間接的に勧めることで朝鮮半島問題解決について格別な 関心を示し、それを通じ1次南北頂上会談に続いて2次会談にも自身が 一定の役割を果たすことを誇示した。 二、これは朝鮮半島に対する中国の影響力増大につながるだろう。 北朝鮮中国間の友好協力関係回復は北朝鮮だけが望んだことでは なく中国にも切実な要求であった。中国が経済建設に集中するため には周辺情勢が安定することが必要なだけでなく、戦略的側面からも 朝鮮半島問題に対して地位を保有することで将来の中国の安全が 保証されうるためである。したがって今回の北朝鮮訪問に少なくない 力を注いだ事実は各所で感知される。特に今回の北朝鮮訪問を 主導したのは政府筋ではない党(権力の中心部)であった点から 中国の誠意を汲み取る事ができる。 三、そのような成果は中国の対米交渉力を強める結果を もたらすだろう。最後に、江沢民個人にも今回の北朝鮮訪問は メリットとなった。国内的には世界に残り少ない'正統社会主義 国家'である北朝鮮から自身の三個代表論に対しての支持を 獲得することにより15期6中全会で起こりうる反対派(=保守派)の 批判を避けられることは勿論、国際的にも頭の痛い相手である 北朝鮮に影響力のある国際的な指導者としての地位をさらに 模索する事ができるようになったのである。 このような側面にもっとも神経を尖らせるのは当然米国であった。 実際に米国務省は9月4日江主席の北朝鮮訪問を"鋭意注目している"と 論評したが、これは北朝鮮中国関係が10年内でもっとも密着していると いう観測を反映している。米国は今後中国が北朝鮮という梃子を 手中にした場合中米関係が自国の戦略通りにならない可能性を 憂慮してきた。同時にこれはまもなく再開される北朝鮮米国協調の 障害物がさらにひとつ増える予告だった。その上これは米国の 東アジア戦略が意図どおり展開されないという憂慮を生む要因となる。 結論的に北朝鮮中国関係の強化が東北アジア、より直接的には 朝鮮半島にどのような影響を及ぼすであろうか? 初頭に言及した ように北朝鮮はいまや外交的孤立からほぼまぬがれた。今回の 会談はここしばらく北朝鮮指導部が精力的に推進した対外政策の ひとつの頂点という事ができる。北朝鮮に今残されていることは米国、 日本との関係改善だけである。これを指して一部では 新 北朝鮮−韓国 3角関係の対立の予告編という主張があるが、 これは北朝鮮−ロシア−中国 三国を束ねてみていた過去と同様の 共通理解が存在しないという側面から現実的根拠が貧弱である。 ただひとつ明らかになったことは、今、北朝鮮に外交的にも、 経済的にも少なくない時間と余裕が与えられたという事実である。 これ以上は'がけっぷちの選択'が北朝鮮の唯一の対案ではないだろう。 勿論北朝鮮の選択が平和指向的になるだろう保証はない。 そうだとしても朝鮮半島での安定と平和の可能性はもう少し深まった といえる。問題はブッシュ政権の対応である。その成り行きは米国に 委ねられている。テロ問題がある程度整理できる幾月かの後の米国の 政策によってその可能性の大きさが決定されるであろう。 ヨベルの年 |
|
|
| 北朝鮮脱出者インタビュー ある元教師の北朝鮮脱出手記(2) |
(このインタビューは2000年11月、中国エンチ(延邊)で活動している 韓国宣教師と元教師の北朝鮮脱出女性(45歳)の間で行われたもので ある。安全のため名前は明らかに出来ない。便宜上質疑の形で記録、 整理した。言葉遣いは理解しやすくするため若干修正したが用語表現は 可能な限りそのまま活かした。(編集者注、以下[ ]表示は編集者) |
| お知らせ/連絡先 |
・イジンスク院長の動向及び問安の手紙 ヨンビョン大学付設民族文化教育院イジンスク院長は 会員の皆様に送る問安の手紙3通目を送ってきました。 既存の支援事業の為にいつもの通り忙しくされながら 最近では'ユンドンジュ文学賞'の受賞者(朝鮮族中学生)を 韓国に招致する事にも力を入れていると言います。 ・ヨンビョンに物資を送ること ヨンビョンの朝鮮族の為に皆様の協力を求めます。 本、学用品、衣料等。送ろうという意向の有る方は 事務局まで連絡して下さい。事務局では現在 毎日 国民日報2-3部をヨンビョンに送っています。韓国の 新聞なり雑誌等は朝鮮族の人々の韓国に対する高い 関心と興味を解消せしめるだけでなく韓国語学習の為の 材料として活用されていると言います。 ・朝鮮族の学校'1+1支援方法' |
| ●連絡先 | |
| 発行人: | パクソンジャ |
| 編集: | ヨベルの年連帯事務局 |
| 発行所: | 北からの難民を考えるヨベルの年連帯 ソウル市ソンパ゚区シンチョン洞17-2 シヨンアパート64-101 |
| 代表電話: | (02)419-2265(FAX共用)、(02)423-8495 |
| 発行日: | 2000年12月31日 |
| URL: | http://www.jubileekorea.or.kr/ |