2014年10月12日 ソウルチェイル教会・ソジェビルディング竣工感謝礼拝祝辞

祝辞 山本 裕司 牧師



 本日のソジェビルディング竣工感謝礼拝に、私たち、第19回日韓合同修養会に参加しました西片町教会会員16名が、このように参列することが許されたことを深く感謝致します。ソジェビルの建築が始められたばかりの頃、私は、この工事現場を一度訪れたことがありました。その時は、未だ建造物はなく、ここには、掘り下げられた深い穴があっただけだと記憶しています。それは言うまでもなく、ビルの土台を据えるための巨大な穴でした。土台なき建物は余りにも危うい。それが大きく高くあればあるほど、その倒れ方はひどくなってしまうことでしょう。しかし、ソウルチェイル教会の兄弟姉妹たちは、主イエスの教えに従って、地面を深く掘り下げられました。そして、堅固な土台を据えて、この素晴らしいビルを建設され、本日、主に奉献されました。このことを、西片町教会を代表して、心からお祝いを致します。


 御教会が聞き従った、主の御教えはこれであったに違いありません。

 「それは、地面を深く掘り下げ、岩の上に土台を置いて家を建てた人に似ている。洪水になって川の水がその家に押し寄せたが、しっかり建ててあったので、揺り動かすことができなかった。」(ルカ福音書6:48)

 この地面を深く掘り下げる人とは、具体的にはどんな人のことでしょうか。主は言われました。それは「わたしのもとに来て、わたしの言葉を聞き、それを行う人」(ルカ6:47)のことだと。


 私は詳細を知りません。しかし、今から40年前、既に、当時の主任牧師であられた朴炯圭牧師が、ここに新会堂を建設したいと願い、検討を始めておられたとのことです。その頃、私は後任の徐道燮牧師から、今日、まさに目の当たりにしたソジェビルに似た、新会堂のデッサンを見せて頂いたような記憶があります。徐牧師はそこに多くの青少年が集う伝道の幻を、厚く語っておられました。しかしそれは実現せず牧師は御隠退後、神に召されました。後任の丘昌完牧師もまた、深い祈りと熱心な行いをもって、教会形成に邁進されました。しかし、やはり道半ばと言ってよいと思いますが辞任されて、鄭鎭宇牧師に伝道のバトンと、教会を深く掘り下げるためのシャベルを、手渡されたのです。西片町教会も同様ですが、姉妹関係締結後の40年弱のソウルチェイル教会の歩みは決して平坦なものではなかったと拝察致します。

 しかし、この時期を含めて、御教会の創立期まで遡れば、ソウルチェイル教会の皆様方が、5人の優れた牧師と共に、地面を深く掘り下げるための60年間であったと思います。それは教会の土台を確かに据えるために必要な、神の定められた「時」であったのではないでしょうか。特に教会が一つになるために、鄭鎭宇牧師が一月に2度、これまで別々に礼拝を守っていた兄弟姉妹と共に礼拝を守っておられると伺いました。まさに、このような歩みこそ、和解の主の御教え、「わたしのもとに来て、わたしの言葉を聞き、それを行う人」の姿そのものだと確信致します。

 このように、御教会の皆様は、堅い地面に「つるはし」を打ち付ける、長い苦闘の末に、今日、ついに、神の時が充ち、岩の上に、このソジェビルを建立しました。

 もはや、御教会も、この素晴らしいビルも、今後、どのような試練の嵐にあっても、主の約束の通り、決して揺り動かされることはありません。本当におめでとうございます。





・引用出典は、日本聖書協会『聖書 新共同訳』より 。

聖書 新共同訳: (c)共同訳聖書実行委員会  Executive Committee of The Common Bible Translation
           (c)日本聖書協会  Japan Bible Society , Tokyo 1987,1988



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