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1997年 月 日 「主のうちに闇はなく」

1997年 「主のうちに闇はなく」
  説教者 山本裕司
  (創世記 15:5)


主は彼を外に連れ出して言われた。「天を仰いで、星を数えることができるなら、数えてみるがよい。」そして言われた。「あなたの子孫はこのようになる。」 (創世記 15:5)


 鈴木正久牧師は、晩年の講解でこう書いています。「私は東京の真ん中に住んでいるが、どこにも自然はない、そう思いこんでいる。家と車と人ばかり。それらに毎日、眼を奪われて暮らしている。しかし、私は気づいた。私の直ぐ側に全く手つかずの自然がある。東京の中心のどこにそんな自然が残されているか、人はいぶかしく思うだろう。それは上にある。高い建物を越え、スモッグを越え、それから先は、火星まで。さらにもっと遠くの星雲まで。いく百億年前からの大自然が、全く手つかずのまま私の頭上に広がっている。そしてその星々が、夜毎に私の頭上に、その輝く姿を見せる…」。そう言って御言葉を引用されるのです。「あなたがたは、キリストと共に復活させられたのですから、上にあるものを求めなさい。」(コロサイ3:1)

 上を仰ぐことを忘れると、私たちは水平の世界、地上のことばかりに眼を奪われ、かえって生活を低下させ腐敗させてしまうと、先生は言われるのです。昔、アブラムも狭い家の中に閉じこもって「上を仰ぐ」ことを怠りました。その時、自分には子がないことに絶望し、神の導きを捨て、女奴隷に子を産ませました。しかしその企ては祝福されることはなかったのです。そういう罪の閉塞状況の中にいる私たちを、夜、主は手を引っ張って「外に連れ出して」下さる。そして「自然がない」とか「幸福がない」、あげくに「何にもない」と嘆く私たちに、主は「ここにある。上にある。その星を数えてみなさい」と命じられるのです。数えきれないほどの生命、私たちを覆い尽くす神の恩寵。それを見た時、私たちは地上の宝を、気張って追い求めることのみみっちさに初めて気づくのではないか。

 宇宙は広いのです。私たちが見ることのできる夜空は、実は宇宙の一部のそのまた断片のようなものでしかない。しかし、もしその星空すらなかったら、この東京に住んでいて、自分はぞっとすると鈴木先生は言われました。まして、全ての宇宙の姿を知ったら、私たちは、どんな大きな感動を味わうでしょう。

 地球は、銀河系の端にあるそうです。ここは星の密度は意外と少ない。しかし、銀河系の中心に近い惑星の上で、もし神様に外に連れ出された人がいたなら、彼は地球のアブラムの何百万倍もの星々を見ると言われる(『コスモス』カール・セーガン著)。空一面の光の洪水。もはやその星では、夜はこないとさえ言われる。讃美歌で歌われているように。

「光の子になるため ついてゆきます。

この世を照らすため 来られた主イエスに 

主のうちに闇はなく 夜も昼も輝く 心の中をわが主よ、照らしてください。」 (讃美歌21―五〇九)

 天文学の深いところには、畏敬の念が核のように隠されていると言われます。宇宙の広がりと奥深さを知れば知るほど、人は地上の狭い視野から解き放たれて、もっと大きなことを考え始める。人は何故生まれてきたのか。人はどこに向かって進んで行くべきか。その中で、自分のこの地上での役割は何か。その宇宙に勝る神の恩寵の神秘こそ、私たちに真の畏敬の心(信仰)を与えるものであります。私たちは今、宇宙同様、神の恵みのほんの一端しか知らない。それで、神を信じることなんて御利益がない。つまらないなどと寝ぼけたことを言っているのではないか。神の恵みは無限に大きいのです。ですから私たちが信仰の道を歩いて行く姿は、まるで銀河の中心に向けて進む旅人のようです。旅人は、徐々に天空に増えていく星々に歓声を上げることでしょう。私たちも信仰者の人生の中で、初めには気がつかなかった、神の光の輝きが次々に、見えるようになってくる。そして、あそこにも神の恵み、ここにも神の愛、と喜びの中で指さしている内に、いつしか光の束の中に滑り込んでしまう。その光に包まれ、光の子となるために、私たちは神の恩寵を今、ここで信じ、その一歩を深い期待をもって踏み出すのであります。





・引用出典は、日本聖書協会『聖書 新共同訳』より 。

聖書 新共同訳: (c)共同訳聖書実行委員会  Executive Committee of The Common Bible Translation
           (c)日本聖書協会  Japan Bible Society , Tokyo 1987,1988




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